Zulipアプリイメージを利用する
1.Zulipについて
1-1.Zulipとは
Zulipは、リアルタイムチャットとスレッド型メッセージの特徴を併せ持つ、チーム向けのチャットツールです。
話題ごとにトピックを分けてやり取りできるため、複数の話題が同時に進行しても、情報が整理された状態でやり取りできます。
1-2.特徴
特徴 | 説明 |
---|---|
スレッド型チャット | 各トピックごとにスレッドを分けて会話できるため、話題ごとに情報を整理できます。 |
ストリーム機能 | Slackのチャンネルに似た機能で、プロジェクトや部署などの単位で作成し、話題を分けて管理できます。 |
通知設定の柔軟性 | 通知はトピック単位でのON/OFF設定が可能で、必要な話題だけを確認できます。 |
外部サービス連携 | GitHubやJenkinsなどと連携でき、開発や運用に関する通知をまとめて受け取れます。 |
マルチデバイス対応 | 専用アプリが提供されており、スマートフォンからでもアクセスできます。 |
1-3.活用例
活用例 | 説明 |
---|---|
複数プロジェクトの話題整理 | プロジェクトごとにストリームを分けることで、並行する案件も整理してやりとりできます。 |
チームのタスク管理 | 作業内容ごとにトピックを分けて会話を進めることで、タスクの対応状況を整理できます。 |
開発チームの通知集約 | コードの更新やテスト結果などを通知することで、最新の状況を確認できます。 |
2.Zulipアプリイメージインストール手順
利用可能プランについて
シンVPSをご利用中の方
1.「追加申し込み」をクリック
シンアカウントへログインし、「追加申し込み」をクリックしてください。
2.Zulipをインストール
「イメージタイプ」における「アプリケーション」タブより「Zulip」をクリックしてください。
お申し込み・お支払いを完了することでサーバーへ自動でインストールされます。
アプリケーションが選択できない場合
3.事前準備
3-1.パケットフィルターの設定
Zulipを利用するには、使用する機能に応じて、以下のポートを開放する必要があります。
必須ポートについては必ず開放し、任意ポートについては必要に応じて設定してください。
VPSパネルの「パケットフィルター設定」画面から「ONにする(推奨)」にチェックを入れ、該当のポートを許可するルールを追加してください。
必須ポート
用途 | ポート番号 | 目的 |
---|---|---|
HTTP | TCP 80 | Let's EncryptによるSSL証明書の取得・更新を行うため。 |
HTTPS | TCP 443 | Webブラウザやアプリにて暗号化通信でアクセスするため。 |
任意ポート
用途 | ポート番号 | 目的 |
---|---|---|
SSH | TCP 22 | Tera TermなどのSSHクライアントを使ってサーバーに接続する場合。 |
使用していない機能に関連するポートは、セキュリティ上の観点から開放しないことを推奨します。
パケットフィルターの設定は下記マニュアルからご確認ください。
パケットフィルターの設定について
3-2.ドメインの準備
Zulipは、Webブラウザまたは専用アプリを通じたアクセスが前提となるため、SSL/TLSによる暗号化通信(HTTPS)の利用を推奨します。
独自のドメインを準備し、DNSの「Aレコード」にVPSのIPアドレスを設定してください。
3-3.SMTPサーバーの準備
Zulipは、ユーザー招待にSMTPサーバーが必要になります。
SMTPサーバー(Gmail・Yahooなど)及びSMTPサーバーを使用するアカウントを準備してください。
4.Zulipセットアップ手順
4-1.Zulipセットアップ
1.サーバーに接続する
2.ユーザー名、パスフレーズを入力
「ユーザー名(N)」に「root」、「パスフレーズ(P)」にアプリイメージのインストール時に設定したパスフレーズを入力してください。
3.Zulipをインストール
下記のコマンドを実行してください。
/opt/zulip-server-*/scripts/setup/install --certbot --email= 管理者用のメールアドレス --hostname=事前にご用意いただいたFQDN
コマンドを実行するとメッセージが流れます。
途中でLet's Encryptの利用規約が表示されますので、「Y」キーを入力し、同意してください。
※自己証明書でSSL/TLSを設定する場合は表示されません。
インストールが完了したら、初回セットアップ用URLが表示されるので控えてください。
4.SMTP設定
Zulipはメール通知をするためにSMTPサーバーの設定が必要なため、設定ファイルを編集します。
以下コマンドを実行します。
nano /etc/zulip/settings.py
以下項目を指定の値に設定します。
※行頭の#は削除してください。
※EMAIL_HOSTとEMAIL_HOST_USERは""で囲ってください。
EMAIL_HOST = "SMTPサーバーのホスト名"
EMAIL_HOST_USER = "SMTPユーザー名(メールアドレス)"
EMAIL_USE_TLS = True
EMAIL_PORT = SMTPポート番号
以下コマンドを実行します。
nano /etc/zulip/zulip-secrets.conf
一番下に以下を追記します。
email_password = SMTPユーザーのパスワード
GoogleのSMTPサーバーを利用する場合
GmailのSMTPサーバーを利用する場合はプリンタ、スキャナ、アプリからのメール送信からSMTPサーバーの情報を確認できます。
Googleアカウントの2段階認証の設定と「アプリパスワード」を設定する必要があります。
2段階認証の設定は2段階認証プロセスを有効にするから確認できます。
アプリパスワードの設定方法はアプリ パスワードでログインするから確認できます。
設定したアプリパスワードを「email_password」に入力してください。
以下コマンドを実行し、Zulipを再起動して、設定を反映します。
sudo -u zulip /home/zulip/deployments/current/scripts/restart-server
4-2.Zulipサーバー接続
1.新しいZulip組織を作成
「3.Zulipをインストール」で控えた初回セットアップ用URLをブラウザで開きます。
「新しいZulip組織を作成」より、各設定を入力し、組織の作成をクリックします。
URLを紛失したり、無効となった場合は以下コマンドを実行し、再度URLを発行してください。
su zulip -c '/home/zulip/deployments/current/manage.py generate_realm_creation_link'
項目 | 説明 |
---|---|
組織名 | 任意の組織名を設定 |
組織のタイプ | 任意の組織タイプを設定 |
Organization language | 任意の言語を設定 |
Your email | 管理者用メールアドレスを設定 |
2.登録
各設定を入力し、「登録」ボタンをクリックします。
項目 | 説明 |
---|---|
名前 | 任意の管理者アカウント名を設定 |
パスワード | 任意のパスワードを設定 |
How did you first hear about Zulip? | 「どこでZulipを知ったか」任意の選択肢を選択 |
3.セットアップ完了
以下画面が表示されたら、初回セットアップが完了です。
5.ユーザーを招待
ユーザーの招待は招待リンクを作成する方法と招待メールを送付する方法があります。
1.招待リンクを作成
右側「組織にユーザーを招待する」をクリックします。
2.ユーザーを招待
「Invitation link」を選択し、「Create link」をクリックします。
※Invitation expires afterでリンクの有効期限、Users join asでユーザー権限を任意で設定します。
3.ユーザーに連携
上部にリンクが作成されますので、招待したいユーザーに連携します。
4.登録
ユーザー側で招待リンクをブラウザで開き、メールアドレスを入力後、登録をクリックします。
5.メール送信
以下画面が表示され、入力したメールアドレス宛にメールが送付されます。
6.招待メール確認
招待メールが送付されているので、「登録を完了」をクリックします。
7.登録完了
各設定を入力し、「登録」ボタンをクリックします。
項目 | 説明 |
---|---|
名前 | 任意のアカウント名を設定 |
パスワード | 任意のパスワードを設定 |
以上でユーザーの招待は完了です。
6.招待メールを送付
1.「組織にユーザーを招待する」をクリック
右側「組織にユーザーを招待する」をクリックします。
2.「招待」をクリック
「Email invitation」を選択し、メールアドレスの欄に招待したいユーザーのメールアドレスを入力し、「招待」をクリックします。
※Invitation expires afterでリンクの有効期限、Users join asでユーザー権限を任意で設定します。
3.「登録を完了」をクリック
入力したメールアドレス宛に招待メールが送付されているので「登録を完了」をクリックします。
4.登録完了
「名前」にアカウント名、「パスワード」に設定したいパスワードを入力し、「登録」をクリックします。
以上でユーザーの招待は完了です。